天草の窯元からできる支援
熊本地震の本震の3日後、天草の窯元・丸尾焼の丸尾三兄弟から、お見舞いの電話がかかってきました。天草は幸い被害が少なかったこと。また、地震後、熊本市内の被害を見てまわって、何か自分たちに出来ることはないか考えたこと。それを7月に控えた熊本市現代美術館での個展で、何かの形にしたいということ。多くの家庭で茶碗や皿などが割れ、多くの人々が、配給や炊き出しなどを紙皿で食べていた頃です。
「ギャラリーに来た人が、無料で器を持って帰れるような展示にしたい」
「器と交換に、その人の食卓の写真を送ってもらって、ギャラリーに飾りたい」
お気に入りの器で、美味しい食事を、大好きな人達と一緒に食べる。そんなごく当たり前のことが、どれだけ尊いことか、私たちは震災を通して改めて実感しました。食卓の写真を通して、‘日常の復興’に思いをはせてもらうという支援。そういった形式の展覧会の準備がそこからスタートしました。