丸尾三兄弟 〇O(マルオ)の食卓

熊本市現代美術館ギャラリーⅢで開催された「丸尾三兄弟 〇O(マルオ)の食卓」展のブログです。(2016年7月16日~9月11日)本展は、天草の若手陶芸家・丸尾三兄弟(金澤佑哉・宏紀・尚宜)が、参加者に1人1枚器をさしあげるかわりに、その人の食卓の写真を撮って送ってもらい、ギャラリー内に展示するというアートプロジェクト型の展覧会です。本ブログでは、参加者から送られてきた「食卓の写真」をすべてご紹介しています。

天草の窯元からできる支援

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熊本地震の本震の3日後、天草の窯元・丸尾焼の丸尾三兄弟から、お見舞いの電話がかかってきました。天草は幸い被害が少なかったこと。また、地震後、熊本市内の被害を見てまわって、何か自分たちに出来ることはないか考えたこと。それを7月に控えた熊本市現代美術館での個展で、何かの形にしたいということ。多くの家庭で茶碗や皿などが割れ、多くの人々が、配給や炊き出しなどを紙皿で食べていた頃です。

「ギャラリーに来た人が、無料で器を持って帰れるような展示にしたい」

「器と交換に、その人の食卓の写真を送ってもらって、ギャラリーに飾りたい」

お気に入りの器で、美味しい食事を、大好きな人達と一緒に食べる。そんなごく当たり前のことが、どれだけ尊いことか、私たちは震災を通して改めて実感しました。食卓の写真を通して、‘日常の復興’に思いをはせてもらうという支援。そういった形式の展覧会の準備がそこからスタートしました。